■ J2の第48節11月8日に行われた栃木SCとロアッソ熊本の試合。栃木はここ3試合で1敗2分け。2試合連続で無得点と得点力不足が深刻になっている。勝ち点が伸びず、最下位の危険性もあるのでホームで勝利を目指したい。
対するロアッソ熊本はここに来て好調。ここ3試合は2勝1分け。守備が安定し、7試合で4失点のみ。リーグ最多失点チームが見違えるような成長を見せている。
ホームの栃木SCは<4-2-2-2>。GK柴崎。DF岡田、宮本、落合、入江。MF鴨志田、本橋、向、河原。FW崔根植、レオナルド。
対するアウェーの熊本は<4-2-2-2>。GK木下。DF松岡、矢野、福王、西。DF吉井、原田、宇留野、藤田。FW小森田、木島。新人ながら8ゴールを挙げているアタッカーのDF西が左サイドバックで出場。
■ 2対0の勝利試合の立ち上がりはホームの栃木が攻め込むが、前半終了間際に熊本が右サイドからチャンスを作り、FW小森田がシュートを放ったこぼれ球をMF藤田がキープ。右足で狙うと見せかけてフェイントで相手DFを外し、最後は左足でゲット。MF藤田の鮮やかな今シーズン4ゴール目で熊本が先制する。
後半になると、栃木は後半6分という早い時間帯に長身のFW若林を投入し、3トップ気味の布陣に変更するが、熊本は後半34分にMF原田のコーナーキックをFW小森田が合わせて追加点。
結局、好調さを見せつけた熊本が2対0の勝利。これで1分けを挟んで3連勝となった。
■ 守備陣の好調40節に徳島に0対6と完敗した熊本だったが、その後、守備陣を立て直し、8試合で4失点。見違えるような堅い守りを見せている。メンバー的には大きくは変わっていないが、意識が向上したのか、90分間、集中することが出来ていて、この日も栃木に決定機をほとんど作らせなかった。
熊本というと、攻撃力が持ち味であるが、守備力に課題があるチームとして認識されているが、ここに来て、改善の兆しが見えているのは、明るい話題である。
■ 北野誠監督の解任ここ最近になって、調子を上げているが、ここまで14位。J2で2年目ということを考えると、メチャクチャ悪い成績ではないが、目標であったJ2で10位以内という成績は絶望的になって、北野監督は1年で解任されることになった。
開幕前にFW高橋泰を失いながらも、この成績というのは、良くやっている部類に入るが、チームは「2012年までに昇格を目指せる戦力となること。」を1つの目標にしていて、フロントとしては、このままでは厳しいと判断したのだろう。
熊本以外にも、近年、J2に参入してくるクラブが増えているが、クラブ数が増えるに連れて、当然、競争相手が増えるので、J1に昇格できる確率も下がってくる。来シーズンは、「ギラヴァンツ北九州」のJ2昇格が確実になっているが、北九州を含めて、どういう目標を持ってチームを作っていくのか、問われることになる。
早期にJ1に昇格出来れば、それは素晴らしいが、現実的には、近年J2に昇格したクラブが他の先輩クラブを差し置いてJ1昇格を果たす可能性は限りなく低い。J1昇格は1つの目標であるが、昇格バブルに頼ることなく、J2で何年もの間、戦うことになったとしても、きちんとやっていけるだけの体力をつけなければクラブ運営に失敗するだろう。
■ ロアッソ藤田俊哉 38歳J1の名古屋から移籍してきたMF藤田俊哉。38歳のシーズンで、長丁場の戦いに耐えられるのかという心配もあったが、ここまでの48試合中44試合にスタメン出場。実に3797分のプレイングタイムがある。休み休みのプレーになるかと思われたが、ほとんどフル出場に近い状態である。
かつて、Jリーグの初期の頃には、ジーコ、リトバルスキー、リネカー、ブッフバルト、ドゥンガといった世界的なスター選手が来日し、リーグを華やかにしたが、その貢献度はそれぞれであった。
ブラジル代表のスーパースターだったMFジーコは鹿島アントラーズを常勝軍団にするための礎を築き、ブッフバルトは浦和レッズを低迷から救出する立役者となり、ドゥンガもジュビロ磐田の黄金期のベース作りに貢献したが、その一方で、リネカーは名古屋グランパスにほとんど何ももたらすことなく2年間で日本を去った。
経験豊富な選手であっても、モチベーションが無い選手は何もチームにもたらすことはないが、その点、MF藤田は新しく加入したロアッソ熊本に期待通りの大きな影響を与えていると断言できる。昨シーズンに熊本が見せていたサッカーと、MF藤田がジュビロ磐田で行っていたサッカーが根本的な部分で似ていたのも幸いしたのか、熊本のサッカーはジュビロテイストの丁寧なサッカーになっている。今シーズンの熊本のゴールシーンの幾つかを見ると、それが実感できる。
■ 得点力不足栃木はこの試合も無得点で、48試合で34ゴール。ゴールが非常に遠い試合が続いている。スタメンはほぼ固まってきていて、試合運びも落ち着いてきているが、刺激の無い試合が続いているともいえる。
左サイドハーフにMF河原を起用しているが、もっとも得点力のあるMF河原はやはりフォワードで起用した方がベターではないだろうか。
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