■ 残り3試合残りは3試合。勝ち点「58」で首位に立つ川崎フロンターレは3連勝すれば悲願のタイトル獲得となる。残りの対戦相手は、大分(A)、新潟(H)、柏(A)。まずは、鬼門の九石ドームで大分トリニータと対戦。大分はすでに降格が決定しているが、ここ7試合で3勝4分けと好調。侮れない相手である。
ホームの大分は<4-2-2-2>。GK西川。DF坪内、上本、菊地、藤田。MFエジミウソン、家長、清武、高橋。FWフェルナンジーニョ、金崎。DF深谷は体調不良で欠場。DF坪内が右サイドバックでスタメン出場。MF家長がボランチでスタメン出場。
対する川崎Fは<4-2-2-2>。GK川島。DF井川、菊地、伊藤、村上。MF横山、谷口、中村憲、レナチーニョ。FW鄭大世、ジュニーニョ。出場を自粛していたDF森がベンチ入り。
■ フェルナンジーニョの決勝ゴール試合は前半から18位の大分が攻勢を仕掛ける。動きの重い川崎Fに対して大分は序盤から積極的で、初めてボランチに入ったMF家長が頻繁にボールを受けて展開する。川崎Fはコンディション不良のMF中村憲がスタメンで出場するが、やはり万全ではないのか、いつものプレーは見せられず。リズムをつかめないままで前半を終了する。
大分が優勢の中、後半16分にその大分が先制点を奪う。左サイドをFW金崎が突破し、中央のFWフェルナンジーニョにラストパス。これをFWフェルナンジーニョが確実に決めて先制。FWフェルナンジーニョは2試合連続のゴール。
勝たなければ首位陥落となる川崎Fは、MF谷口に代えてMF田坂、FW鄭大世に代えてFW矢島を投入。試合終了間際に、途中出場のFW矢島とMF田坂が決定機を迎えるがシュートに正確性を欠いてノーゴール。
結局、1対0で終了。川崎Fは2位に転落し、自力での優勝の可能性が無くなった。
■ ポポビッチ監督のスタイルすでに降格が決定している大分であるが、前半戦とは見違えるような戦いぶりで首位の川崎Fを圧倒。1位と18位の対戦になったが、どちらが首位のチームなのか分からないくらいの試合内容だった。
大分は7月14日にシャムスカ監督を解任し、ポポビッチ氏を招へい。守備重視のサッカースタイルからの変身を図っていたが、ここに来て、ポポビッチ監督のやりたいサッカーがピッチで披露できるようになった。資金力の問題もあって、大型補強は出来ないチームであるが、シャムスカ時代に埋もれていたMF家長やMF東らを抜擢。ここ8試合で4勝4分けと快進撃を見せている。
もちろん、降格へのプレッシャーから解放されたという理由もあるが、このサッカーを続けていけば、来シーズンはJ2でいい戦いが出来るだろう。お金の問題もあるのでどれほどの主力選手が残留するのかは全く分からないが、手ごたえを感じていて、「大分で、もう1年間頑張ろう。」と思う選手もいるのではないだろうか?わずかに4ヶ月ほどで形が見せてきているのは驚きである。
■ ボランチの家長チームの中心として機能したのが、MFエジミウソンとMF家長のダブルボランチ。G大阪時代にも経験が無いというボランチでのスタメンとなったMF家長であるが、予想以上にボランチとしてフィットした。キープ力のあるMF家長が真ん中にいて、ボールを集めて散らしてくれると、大分はもともとアタッカー陣に突破力のある選手が多いので、攻撃はうまく機能する。
2トップがFWフェルナンジーニョとFW金崎ということで本格的なストライカーがいないため、サイドを崩しかけても、ゴール前に誰もいないというシーンもあったが、決勝ゴールはこの2トップがうまく連携して奪ったファインゴールだった。
大分で2年目となるMF家長であるが、レンタル移籍のため、レンタル期間が終了すればG大阪に戻ることになる。ただ、G大阪の事情も変わっていて、西野監督が続投となると、G大阪に復帰したとしても幸せになれるかというと疑問である。大分としては来シーズンも残ってほしいだろうが、3年連続でレンタルでG大阪が大分にレンタルで貸し出すというのは考えにくく、完全移籍での買い取りが必要になる可能性が高いが、今の大分の資金力では不可能だろう。MF家長の去就も注目したいところである。
■ 大きかった菊地直哉の加入 大分は今夏に元ジュビロ磐田のMF菊地を獲得。果たしてこれはどうなのか、といろいろと意見が分かれたが、結果的にみると、(結果だけを見ると)、MF菊地が試合に出場し始めた25節以降で4勝4分け。8試合でわずかに4失点と、絶大な効果が生まれている。
もちろん、この好成績はMF菊地だけの力ではないが、中盤の底やセンターバックの位置で、堅実なプレーを見せているMF菊地の果たした貢献は低くない。
■ 産みの苦しみ残り3連勝でタイトル奪取となった川崎Fであるが、またしても、ここ一番での勝負弱さが出て、2位に転落。自力での優勝の可能性は消滅し、次節に、首位に返り咲いた鹿島の3連覇が決定する可能性も出てきた。
1位と18位の対戦であり、しかも、対戦相手の大分はすでに降格が決定しているチーム。普通に考えると、川崎Fが圧勝してもおかしくはないが、そう簡単にいかないのが今のJリーグである。もともと、大分自体は力あるチームであり、過去の九石ドームの対戦は2分け6敗。相性の悪さはまたしても払しょくされなかった。
上位を争っている、清水やFC東京といったチームもここ数試合、結果が残っておらず、何も川崎Fだけが大事な試合で勝てていないわけでもないが、ここ数年の流れから見ても、どうも川崎Fにはここ一番の戦いに勝てていないというイメージは付きまとう。
このイメージは簡単に払しょくは出来ないので、早く1つ、タイトルを獲得して、「タイトルを取った」という経験をつかみたい。産みの苦しみはまだ続くのか。
■ なぜ勝負弱いのか?なぜ、川崎Fが大事な試合で取りこぼすことが多いのかを考えてみても、明確な答えは見つけにくい。あと一歩でタイトルを逃す経験が続いているので、無用な心理的なプレッシャーがかかっているということは想像できるが、Jリーグでも最高レベルの攻撃陣が、肝心な時に、沈黙してしまう事が多いのは不思議である。
この試合はMF中村憲のコンディションが万全ではなかったのが攻撃力を落とした理由の1つではあるが、改めて考えてみると、大きな舞台であったり、大事な試合に限って、FWジュニーニョが沈黙するケースがやや多いような気はする。
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