■ 勝てばW杯の出場が確定! カタールW杯のアジア最終予選の9戦目。紆余曲折ありながらも6勝2敗で勝ち点「18」。B組で2位の日本代表はアウェイでオーストラリアと対戦した。オーストラリアは4勝1敗3分けで勝ち点「15」。サウジアラビアと同様で開幕3連勝を達成したが4節以降は1勝1敗3分けと苦しんでいる。「3差」なので日本はオーストラリアに勝てばその時点でW杯出場が確定するが敗れた場合は2位通過がかなり厳しくなる。
日本は「4-1-4-1」。GK権田(清水)。DF山根視(川崎F)、DF板倉(シャルケ)、DF吉田(サンプドリア)、DF長友(FC東京)。MF遠藤航(シュツットガルト)、MF守田(サンタ・クララ)、MF田中碧(デュッセルドルフ)、MF伊東純(ゲンク)、MF南野(リバプール)。FW浅野拓(VfLボーフム)。怪我で離脱したFW大迫(神戸)に代わってFW浅野拓がスタメン出場。同じく怪我のDF酒井宏(浦和)に代わってDF山根視が起用された。
ベンチスタートになったのはGK川島(ストラスブール)、、GKシュミット・ダニエル(シントトロイデン)、DF佐々木翔(広島)、DF植田直(ニーム・オリンピック)、DF谷口彰(川崎F)、DF中山雄(ズヴォレ)、MF柴崎岳(ラ・コルーニャ)、MF久保建(マジョルカ)、MF原口(ウニオン・ベルリン)、MF三笘(ロイヤル・ユニオン)、MF旗手(セルティック)、FW上田(鹿島)の12人。FW林大地、DF中谷進、GK谷はベンチ外となった。
■ 見事に7大会連続のW杯の出場権を獲得 10戦目がホームのベトナム戦なので日本は「引き分けでもW杯出場に大きく前進する試合」だったが立ち上がりエンジン全開。前半1分にMF南野が惜しいシュートを放った。アグレッシブに攻め込んだ日本だったが前半25分に相手のCKからネットを揺らされる。ただ、GK権田へのファールの判定でオーストラリアのゴールは認められず。命拾いした。MF南野は前半だけで何と7本のシュートを放ったがゴールは奪えず。
0対0で迎えた後半は立ち上がりからやや静かな展開になった。引き分けでもOKという日本は勝負のパスを出す回数を減らしてオーストラリアがカウンターを繰り出す場面は少なくなった。後半19分にDF長友とFW浅野拓を下げてFW上田とMF中山雄を投入。後半39分にはMF田中碧とMF南野を下げてMF原口とMF三笘を投入するとドリブラーのMF三笘が大一番の主役になった。神がかり的な活躍を見せた。
後半44分にDF山根視とMF守田という新旧の川崎Fコンビでサイドを崩すとDF山根視がマイナスのクロスを入れる。飛び込んできたMF三笘が合わせて待望の先制ゴールを奪った。代表では2試合目の出場となるMF三笘は嬉しい代表初ゴールとなった。さらに後半49分にも左サイドからドリブルで仕掛けてゴールゲット。W杯出場を決定付けた。2対0で勝利した日本は見事に7大会連続のW杯の出場権を獲得した。
■ ヒーローは何と言ってもMF三笘 鬼門とも言えるアウェイのオーストラリア戦だったが劇的な形で勝ち点「3」を獲得。3位のオーストラリアとの差が残り1試合で「6」となったので2位以内が確定した。日本時間の深夜に行われた中国とサウジアラビアの試合は1対1のドローに終わったので9節を終えた時点で日本はついにB組の首位に浮上した。最後の10節は3月28日(火)に行われるベトナム戦になるが幸いにして完全な消化試合になった。
ヒーローは何と言ってもMF三笘になる。後半39分に登場したのでかなり遅い時間帯の投入だったが圧巻の2ゴール。「代表ではまだ2試合目」となるがW杯の出場権がかかった試合で躍動した。「引き分けでもOK」という試合なので先制ゴールは非常に大きかったがMF三笘を含めて新旧の川崎Fの選手で崩した。MF守田はインサイドハーフでプレーしたが前半から攻守に貢献。「この試合の陰のMVP」と言える。
2点目のゴールは圧巻だった。あまりにも凄すぎたのでゴールが決まった瞬間に周りにいた日本の選手が喜ぶよりも引いている感じに見えた。サイドでボールをキープして時間をつぶしてもいい状況だったがいきなりサイドから仕掛けてゴールを奪った。シュート自体はクリーンヒットしなかったがGKライアンは平常心ではなかったのか、ファンブルしてしまった。カタールW杯行きを確実にするスーパーゴールだった。
「引き分けでもOK」という状況だったので「(MF南野に代わって)より守備力の高いMF原口を左ウイングに入れる。」という交代もあり得たが森保監督はMF三笘を抜擢。ものの見事にハマった。川崎Fでの2年間はJ1で計50試合に出場しているがスタメンは24回だけ。途中出場が26回だったので途中出場の方が多かった。相手が疲れている時間帯に投入するカードとしては最上級のカードと言っても過言ではない。
■ 「W杯の常連国になった。」と言える。 FW大迫の代役としてFW浅野拓を起用したのはサプライズだったが役割は果たした。ゴールはなかったが相手の脅威になった。ポストプレーヤーのFW大迫とは全く違ったタイプの選手になるがスピードに欠ける選手が多いオーストラリアはむしろFW大迫よりもFW浅野拓の方が嫌だったのではないか。前回の最終予選でもオーストラリア戦(H)でゴールを決めているのでFW浅野拓はオーストラリアとの相性はいい。
MF南野は「not his dayだった。」と言える。試合を通して8本ほどシュートを放ったがそのうちの半分ほどは決定機だった。「決めないといけないシーン」はたくさんあったが前半から相手の脅威になったのは確かなことである。決定機にたくさん絡んだことをポジティブに評価するのか?決定機をたくさん外したことをマイナスに評価するのか?は意見が分かれるところだと思うがゴール前の位置取りは非常に良かった。
守備陣は前半はやや危うかった。左SBのDF長友のところに10番のFWフルスティッチが張っていてここで起点を作られた。行ったり来たりの試合展開は「勝たないといけない試合」だったオーストラリアにとっては好都合であり、引き分けでもOKの日本にとっては良くない展開だったがさすがにハーフタイムで修正をした。後半は日本の決定機も減ったがオーストラリアがカウンターを仕掛ける場面も一気に減った。
苦しみながらも日本代表は7大会連続のW杯出場を決めたが4節から6連勝。底力を発揮した。トータルでは7勝2敗で勝ち点「21」となったが過去のW杯のアジア最終予選と同じくらいの成績になった。また、過去の大会と同様で最終節を待たずにW杯の出場権を獲得することが出来た。最後にW杯の出場権獲得を逃したのはJリーグ元年となる1993年であることを考えると「W杯の常連国になった。」と言える。
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