■ J2の第3節J2の第3節。コロナの影響で1節の水戸戦(H)が延期になった大分トリニータはホームの昭和電工ドーム大分で横浜FCと対戦した。大分は2節の甲府戦(A)が今シーズンの初戦だったが後半のアディショナルタイムにDFペレイラが同点ゴールを決めて1対1のドローに持ち込んだ。J2の22クラブの中で唯一の開幕2連勝を果たした横浜FCは首位に立っている。1節は大宮、2節は長崎をともにホームで撃破した。
ホームの大分は「4-1-2-3」。GK高木駿。DF小出、ペレイラ、坂圭祐、三竿雄。MF下田、町田、渡邉新。FW増山、呉屋、小林成。2節の甲府戦(A)は大卒2年目のFW井上健が右ウイングで起用されたがこの日はベンチスタート。昨夏に神戸から加入したFW増山がスタメン出場となった。片野坂監督時代は3バックを採用したが下平監督になって新たに4バックを採用している。大卒ルーキーのFW宇津元がベンチ入り。
対するアウェイの「3-4-2-1」。GKブローダーセン。DF中村拓、岩武、中塩。MF高橋秀、手塚、イサカ・ゼイン、高木友、伊藤翔、齋藤功。FW小川航。川崎Fから獲得したキャプテンのMF長谷川竜也は欠場。ベテランのMF伊藤翔がシャドーの一角でスタメン出場。ボランチで起用されていたMF齋藤功がシャドーの位置に上がってFW小川航が最前線でプレー。FWフェリペ・ヴィゼウはベンチスタートになった。
■ 優勝候補と言われた両チームの対決ともに前評判は高くて開幕前は「優勝候補の一角」に挙げられたが序盤はホームの大分が優勢。激しいプレスをかけて相手の自由を奪った。前半13分にも高い位置からプレスをかけてボールを奪うとMF町田のクロスからファーサイドに待っていたFW小林成が頭で合わせて大分が先制に成功する。序盤からミスが続いた横浜FCはDF中村拓からボランチのMF手塚に出したパスがずれてボールを失ってしまった。
1点を追う横浜FCだったが前半22分に左サイドでFKを獲得するとレフティのMF手塚がゴール前に上げたボールにDF岩武が飛び込んでこぼれたボールをフリーのMF伊藤翔が頭で押し込んだ。難しい展開になっていた横浜FCが1対1の同点に追いついた。このゴールで流れは大きく変わった。1対1の同点になった後は逆に横浜FCが前から激しいプレスをかけて相手のミスを誘発。何度かビッグチャンスを迎えた。
後半はほぼ互角の展開になった。後半17分にMFイサカ・ゼインのクロスからFW小川航に決定機が訪れたがキーパーにセーブされる。1対1のスコアで迎えた後半33分に横浜FCはカウンターから右ストッパーのDF中村拓が攻撃に参加してクロスを上げるとファーサイドで待っていたMF山下諒が右足で巻いたシュートを決めて2対1と逆転に成功する。上位候補同士の対決を制した横浜FCは無傷の開幕3連勝となった。
■ 「どこが横浜FCを止めるのか?」前評判の高い両チームの激突だったが好対照なチーム状態で決戦を迎えた。横浜FCは開幕2連勝を果たしたが大分はコロナの影響で開幕が延期されるなど十分な準備は出来なかった。大分は消化試合数が1つ少ないが直接対決で負けると横浜FCとの差は早くも「8」と大きく広がる。大事な試合だったが競り負けた。唯一の勝ちっぱなしの横浜FCが上位対決を制したことで横浜FCが独走する可能性が出てきた。
「どこが横浜FCを止めるのか?」が序盤のJ2の注目ポイントになってきたが横浜FCは層が厚い。特に攻撃陣の層の厚さはJ2の中では長崎と並んでトップクラスと言える。MF山下諒がスーパーサブ的な立ち位置になっているが開幕戦では決勝点につながったPKをゲットしてこの日は決勝ゴール。他にもFWクレーベ、MF中村俊、FW渡邉千、FWフェリペ・ヴィゼウ(or MF伊藤翔)がサブに控えている。心強い限りである。
昨オフに東京Vから横浜FCに移籍したMF山下諒はスタメンでは起用されていないが「スタメンで起用されて攻撃の中心になってもおかしくないだけのポテンシャルを持っている。」と言える。東京Vでも途中出場が多かったが2年間で計15ゴールを挙げるなどスピードスターでありながら得点力が高い。J2ではトップクラスのスピードを持っているのでJ1のクラブではなくて横浜FCを移籍先に選んだのは驚きだった。
今シーズンの横浜FCはDF中村拓、DF岩武、DF中塩という若い3人が3バックを構成している。GKブローダーセンも見かけによらず若いので「守備的なポジションは若手オンリー」と言えるがDF中村拓とDF岩武はともに大分県出身。大分の下部組織出身なので古巣対決だった。大分U-12や大分U-15でプレーしたDF中村拓は失点のきっかけを作ってしまったが逆転ゴールをアシスト。思い出に残る試合になっただろう。
■ ようやくのホーム開幕戦だったが・・・。大分は3節にしてようやくのホーム開幕戦だったが痛恨の逆転負けとなった。立ち上がりは優勢。いい守備からいい攻撃をしてしっかりと先制ゴールを奪った。最高の入り方だったがFKから失点してリズムが狂った。FKに関してはいいボールが入ってきたので対応するのは難しかったが「劣勢だったチームがセットプレーでゴールを奪って落ち着きを取り戻す。」というのはサッカーの試合ではよくある話である。
後半33分に逆転ゴールを許したが逆転される前の数分間はどちらかというと大分が優勢だった。途中出場したFW井上健が持ち味であるスピードを生かしてチャンスメイク。後半25分にはFW長沢駿に決定機が訪れた。FW長沢駿は後半45分にもダイビングヘッドで惜しいシーンを作ったが前半27分のFW増山の逸機も含めて大分はいい形を作りながら最後のシュートがなかなか決まらず。決定力を欠いた。
横浜FCとの差が大きく広がってしまったが大卒2年目のFW井上健は途中出場で躍動した。こちらもJ2ではトップクラスのスピードを持っているが分かりやすい武器を持っている選手は貴重。対策を立てられても何とか打開できるほどのスピードを持っているので今後に期待したい。「3トップの右」で起用されたFW増山もチャンスにはたくさん絡んだので調子自体は良さそう。右ウイングの選手が今年の大分のカギを握る。
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