■ J1の第9節ACLの日程の関係で前倒しになった9節の浦和レッズとヴィッセル神戸の試合は2月23日(水)に埼玉スタジアム2002で行われた。浦和にとってはホーム開幕戦になるが両チームとも開幕戦から中3日での試合になった。開幕戦は浦和はアウェイで京都と対戦したが0対1で敗れた。神戸もアウェイで名古屋と対戦したが0対2で敗れた。どちらも上位候補に挙げられているので早く初勝利を手にしたい。
ホームの浦和は「4-2-3-1」。GK西川。DF馬渡、岩波、アレクサンダー・ショルツ、大畑。MF伊藤敦、柴戸、松崎快、江坂、関根貴。FW明本。この日は1トップで採用。FW明本が最前線でプレーする。J2の水戸から加入したMF松崎快は移籍後初スタメン。鳥栖から加入したパリ世代のDF大畑も移籍後初スタメンとなった。大宮から加入したDF馬渡はこれまでは左SBで起用されていたがこの日は右SBでプレーした。
対するアウェイの神戸は「4-4-2」。GK前川。DF酒井高、槙野、小林友、初瀬。MFセルジ・サンペール、郷家、山口蛍、ボージャン・クルキッチ。FW武藤嘉、大迫。コンディション不良で開幕戦は欠場したMFイニエスタがベンチ入り。名古屋との開幕戦でレッドカードを受けたMF扇原は出場停止。MF郷家がスタメンで起用された。古巣対決となるDF槙野は開幕戦は右SBでプレーしたがこの日はCBの位置で起用された。
■ 稀に見る熱戦になった。試合は稀に見る熱戦になった。前半5分にエリア内でFW大迫がファールを受けて神戸がPKを獲得する。最初はファールを取らなかったがVARで確認した結果、MF松崎快のファールが確認された。神戸は絶好の先制のチャンスを迎えたがFW武藤嘉のシュートをGK西川がビッグセーブで防いだ。命拾いした浦和だったが直後のプレーでFW武藤嘉に鮮やかに決められて失点。FW武藤嘉は今シーズン初ゴールとなった。
先制された浦和だったがその直後の前半12分にMF関根貴のパスを受けたMF松崎快がうまく相手をかわしてから左足でシュートを決めてあっという間に同点に追いついた。追いついた浦和は前半19分にも左サイドのCKからFW明本がニアでフリックしたボールに反応したMF柴戸がヘディングで合わせて逆転に成功する。前半30分にはMF江坂のパスからMF松崎快に決定機が訪れたがGK前川が好セーブを見せた。
後半も浦和ペースだったが後半13分にFW明本が暴力行為で一発レッド。退場になる。その後は神戸がずっとボールを保持する展開になった。浦和は守備的な選手を次々に投入。逃げ切りを図ったが後半42分に途中出場したMFイニエスタのクロスから古巣対決となるDF槙野が値千金の同点ゴールを決めて2対2。試合は振り出しに戻った。追いついた神戸だったが逆転までは持って行けず。ともに0勝1敗1分けとなった。
■ FW明本の一発レッド試合の流れを大きく変えたのはFW明本の一発レッドだった。DF小林友との攻防でエキサイトしてクビ付近をつかむ形になった。クビではなくて胸ぐらをつかむ形であったならばイエローカードで済まされた可能性はあるがクビとなると印象は悪い。一発レッドは妥当な判定だったと言える。FW明本はエキサイトしていたが最初に過剰に手を使ったのはFW明本だったことを考えるとDF小林友が怒るのは無理もない。
プレーが止まった後、DF小林友が詰め寄ってきたことにFW明本がエキサイトしたが愚行だったというしかない。その後の浦和は30分以上も10人で戦うことになった。先制されたもののいい流れで試合を進めていただけに悔いの残るレッドカードになった。MF松崎快、MF江坂、MF関根貴と攻撃的な選手を下げてMF岩尾、DF犬飼、MF安居を投入。逃げ切りを図ったが神戸の攻撃を10人でしのぐのは難しかった。
優勝候補に挙げられる浦和は0勝1敗1分け。出遅れてしまったが新戦力のMF松崎快にゴールが生まれたのはポジティブに考えられる。水戸で活躍して浦和にステップアップの移籍を果たしたが攻撃的なセンスに恵まれた選手である。浦和のアタッカーの層はJ1でもトップクラスに厚いがプレー機会を与えられたら確実にインパクトを残せる選手である。その直前に自身のファールでPKを献上したが自らカバーした。
PKを止めたGK西川は2失点したものの素晴らしいプレーを見せた。前半のFW武藤嘉のPKの場面は最後まで諦めずに手を出してバーに当たった。その直後に失点をしてしまったがPKセーブはビッグプレーだった。長きに渡ってチームを支えてきたFW興梠、DF槙野、MF阿部勇、MF宇賀神などがチームを離れたので寂しい思いをしていると思うがGK西川はまだまだ健在。ハイボールの処理も安定していた。
■ 起死回生の同点ゴールを決めたのはDF槙野神戸も0勝1敗1分けとなった。出遅れる形になったがアウェイの埼玉スタジアム2002で難しい展開になった中、勝ち点「1」を獲得できたことはポジティブに考えられる。数的優位になった後の神戸はサイドからたくさんクロスを入れたがなかなか中の選手とは合わず。DF酒井高やDF初瀬などのクロスの質はあまり良くなかったがフリーになっていたDF槙野にピタリと合わせたMFイニエスタはさすがというしかない。
起死回生の同点ゴールを決めたDF槙野は古巣対決でも大きな存在感を発揮した。大分との天皇杯の決勝でも劇的な決勝ゴールを決めたがありきたりな言葉で「持っている選手」と表現するのも憚れるほど。神がかり的なゴールだった。注目が集まる舞台で大きな舞台になればなるほど力を発揮できる選手である。とにかく言動が目立つのでアンチファンもたくさんいるがこれほどスター性のあるCBはめったにいない。
相手は10人なのでゴール前に上がりやすいシチュエーションだったがスルスルと駆け上がってフリーでヘディングシュートを放った。J1では401試合目で46ゴールとなったがCBの選手で、かつ、これだけ高い得点力を持つ選手もなかなかいない。DF菊池流やDF小林友やDF大崎玲などとのポジション争いになるがこれ以上ないほどのアピールが出来た。大事な場面で点が取れる選手の価値は当然のことながら高い。
Pkを外してしまったが直後に自らで挽回したFW武藤嘉は試合を通して大きな存在感を発揮した。名古屋との開幕戦でもいいプレーを見せたが神戸に加入してからはずっと好調。攻撃をけん引している。同点ゴールは見事というしかない。わざと浮かせたのか?コントロールしようとしたボールが浮いてしまったのか?は分からないがあまり見られない形のループシュートだった。アイディアも技術も素晴らしかった。
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