■ オフにたくさんの主力が流出した。ホームの北九州は昇格1年目の昨シーズンは5位と大躍進した。前半戦(1節-21節)を首位で折り返すなどJ2の主役になったがレジェンドであるFW池元が現役を引退。FWディサロ・燦・シルヴァーノ、FW町野、MF國分伸、MF加藤弘、DF福森健、GK永井堅などはチームを離れた。小林伸二監督になって3年目となる今シーズンは下位に低迷しているがここに来て2連勝中。一時と比べるといい流れになってきた。
16節を終えた時点では4勝7敗5分けで勝ち点「17」。18位なのでひとまず降格圏を脱出した。「残留争いから抜け出すこと」が目下の目標になるがこの日の対戦相手はジュビロ磐田になる。磐田はここまで10勝4敗2分けで勝ち点「32」。4位に位置するが6月1日(火)に選手とスタッフが1名ずつ、コロナに感染したことが発表された。ショッキングなニュースだったがクラブ内に感染が広まることはなかったと思われる。
磐田はJリーグ屈指の名門であり、元・日本代表のMF遠藤やMF今野を擁する人気クラブなので、普通の状態であるならば「クラブ史上屈指の観客動員数」も期待できた。ただ、残念ながら制限試合になった。アウェイ用の席は用意されず、「5,000人まで」という条件が適用されたがいくつかのチケットは完売した。最終的には4,333人というたくさんのサポーターが集まった。当然のことながら今季最多の入場者数だった。
#17 小倉城

#18 夜の風景
■ MF鈴木雄斗が2ゴールを挙げる活躍14時3分にキックオフされた試合は2対0でアウェイの磐田が勝利した。前半33分と前半39分に右WBのMF鈴木雄が連続ゴールを決めて磐田がリードを奪った。北九州はMF佐藤亮やFW前川やMF高橋大にチャンスが訪れたが決められず。右SHのMF佐藤亮がカットインから左足で放ったシュートがキーパーにセーブされた場面とMF高橋大のFKがバーに当たった場面が北九州にとっては大きなチャンスだった。
2点を追う展開になった北九州は後半開始からDF永田拓とMF永野を下げてFW狩土名とDF乾貴哉を投入。大卒ルーキーのFW狩土名に期待が集まったがサポートが少なくて起点になれなかった。0対2で敗れた北九州の連勝は「2」でストップした。好調の磐田は「選手がコロナに感染する。」というアクシデントに見舞われながら伏兵のMF鈴木雄が大活躍して2対0で勝利した。磐田は4試合連続の完封勝利を達成した。
開幕2連敗と出遅れた磐田だったがここ7試合負けなし。3強(新潟・FC琉球・京都)との差が広がった時期もあったが、再度、昇格争いに絡んできた。今シーズンの磐田はベテラン中心のメンバー構成になっており、主力は30歳を超えている選手が多い。若手世代で一定以上の出場機会を得ているのは21歳のDF伊藤洋くらい。平均年齢はJ2の中で図抜けて高くなるが経験を生かして安定した戦いを見せている。
#19 長崎街道

#20 紫川に架かる橋
■ フォワードで苦労する北九州だが・・・。オフの移籍市場で選手がたくさん流出した北九州は昨シーズンと打って変わって難しいシーズンになっているがようやくメンバーが固まってきた。この日は「磐田からのレンタル移籍」となるのでゲームメーカーのMF針谷が不在。彼が欠場したのは大きなマイナスだった。左SHで起用されたアタッカーのMF斧澤は加入2年目してようやくの移籍後初スタメンだったが後半16分までプレーして随所に持ち味を発揮した。
3連勝はならなかったが一時と比べるとチーム状態は上がってきた。閉塞感はなくなってきたが即戦力ルーキーと評判だったFW狩土名とFW平山駿にJリーグ初ゴールが生まれてない。ベテランのFW富山はよく頑張っているが「フォワード陣の奮起 or フォワードの補強」は必要である。チャンスメイク出来る選手はたくさんいるので「フォワードをレベルアップできれば残留争いから抜け出すことは可能」と言える。
小林伸二監督というと山形時代のFW豊田やFW長谷川悠、徳島時代のFWドウグラス、清水時代のFW北川航、北九州時代のFWディサロ・燦・シルヴァーノやFW町野など過去にたくさんのフォワードを育ててきた。「フォワードの育成」に定評のある指導者なのでスポーツダイレクターを兼任している小林伸二監督はいろいろと考えているはず。勝負所である夏場の戦いを乗り切るためにどんな手を打ってくるだろうか?
#21 小倉祇園太鼓 (重要無形民俗文化財)

#22 ゴール裏からの景色
■ 最後に・・・。ミクニワールドスタジアム北九州に行くのは初めてだったが「想像していたとおりの素晴らしいスタジアムだった。」と言える。国内最新鋭のスタジアムになるがマイナス点は「バックスタンドの傾斜が緩い点」と「バックスタンドに屋根がない点」くらい。山陽新幹線が止まるJRの小倉駅のすぐ近くなので「アクセスが抜群」というのは大きい。人の流れが分散されるので「満員の時も帰り道が混むことはない。」と言える。
最大のセールスポイントは「海に近いこと」だと思うが海の近くどころか「バックスタンドの後ろがすぐ海」である。残念ながら「海ぽちゃ」は見られなかったが1つの名物になっている。この日はデイマッチだったがナイトマッチのときはさらに幻想的な雰囲気になるだろう。このスタジアムが出来て北九州というクラブは劇的に変わったので「羨ましく思っているJリーグのクラブ」はたくさんあるだろうと思われる。
残念だったのは北九州のサポーターの応援になるがこの点はいくらでも and すぐにでも改善可能である。ここ10年ほどの間に新設された日本の中規模スタジアムのほとんどは「鳥栖スタジアム」と「ユアスタ」と「アルウィン」と「フクアリ」の影響を強く受けているが「長野U」と「ミクスタ」と「サンガスタジアム」もこれから専用スタジアムの建設を考えている人たちに多大なプラスの影響をもたらすと考えられる。
サガン鳥栖・ベガルタ仙台・松本山雅のように「素晴らしい専用スタジアムが存在したことがクラブを飛躍的に成長させるきっかけになった」という例はJリーグにもいくつかある。国内屈指と言えるミクスタを手に入れた北九州が後に続く可能性は結構高いと考えられる。県内にはアビスパ福岡というライバルが存在するが「100万人近くの人口」と「優良で、かつ、優秀な地元企業」も大きなパワー(助け)になるだろう。
#23 試合終了後

#24 小倉土産

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