MF前寛之やFW小川航やDF志知など主力が大量に抜けた水戸は苦しいオフになったが残った選手や新加入選手にとっては大きなチャンスである。「誰がレギュラーになってもおかしくない状況」である。ほとんどのポジションは「レギュラー未定」なのでたくさんの選手にチャンスがある。この状況で燃えない選手はいないだろう。水戸は例年通りでたくさんの有望株を獲得したので何人かがブレイクを果たすだろう。
評判がいいのは名古屋からの期限付き移籍となるMF深堀になる。名古屋U18出身で高卒4年目。ポルトガル1部のヴィトーリアSCに期限付きで移籍した時期もあったがキャンプ期間中の練習試合で結果を出して地位を確立しつつある。先日のPSMの鹿島戦でゴールを決めることは出来なかったが持ち味であるスピードを生かしていくつかチャンスに絡んだ。ポテンシャルの高さは評判だったが魅力のある選手である。
横浜FMからの期限付き移籍となるFW山谷もブレイク候補になる。FW小川航とFW清水慎が抜けたCFはFW村田航、FW中山仁、FW山谷などがレギュラー候補に挙げられるが決め手に欠ける。同じくPSMの鹿島戦で好プレーを見せており、高卒2年目で定位置を確保してもおかしくない。期限付き移籍だった1つ先輩のMF堀研太とFW町野がともに2年限りで契約満了になったことを考えると危機感を持っているだろう。
同じく横浜FMからの期限付き移籍となるMF山田康もブレイク候補に挙げられる。U-20W杯の本大会で躍動したのは印象的だったが所属クラブで出場機会に恵まれなかった。横浜FMでも名古屋でも出番は限られたが「水戸への期限付き移籍」は大きなチャンスである。ボランチでも2列目でもプレー出来るが水戸はボランチも2列目もやや手薄である。期待値を考えると「定位置確保」は最低限のノルマと言える。
■ 大型補強に成功した群馬クラブ史上最高とも言える大型補強に成功した群馬は2019年はFW高澤、GK吉田舜、DF吉田将という大卒ルーキートリオがブレイクした。3人とも1年限りでチームを離れたのは誤算だったが幾分かの移籍金を置いて巣立っていったのであれば「仕方がない。」と受け入れるしかない。昨シーズンの3人の活躍ならびに今オフの3人のステップアップを最も悔しく思っているのは3人とは同期入団になるDF飯野だろう。
開幕前の評価は大卒ルーキーの中ではDF飯野が最も高かった。開幕から目立った活躍を見せたのもDF飯野だったが失速した。特にDF吉田将に定位置を奪われたのは悔しく感じていると思うがポテンシャルは負けていない。大型補強に成功した群馬だったが右SB(とCB)の即戦力は獲得しなかった。DF小島雅ならびにDF平尾がポジション争いのライバルになるが「DF飯野が定位置を確保する可能性は高い。」と言える。
スピードがあってサイドを疾走できるのは大きな魅力となる。最終局面に入ったときのプレーの精度も非常に高い。「DF飯野に期待をしているので即戦力となる右SBを獲得しなかった。」という見方もできる。他にはJ3で15ゴールと爆発してJ2の群馬への個人昇格を果たしたFW進昂平にも注目が集まる。スピードがあってシュートの上手な選手なので大きな注目が集まる。FW大前をしのぐ活躍を見せる可能性もある。
同じ昇格組の北九州は補強が最小限にとどまった。既存の若手のさらなる成長に期待する道を選択したが北九州のブレイク候補はFW佐藤亮になる。タレント軍団の明治大のエースとして君臨してきたがシュート精度の高いストライカーである。FW町野やFW池元やFWディサロ・燦・シルヴァーノがポジション争いのライバルになると思うがスター性を持った選手である。J2でもコンスタントに活躍できる可能性はある。
■ U-17日本代表だったMF半田石丸監督が就任した山形は何と言ってもMF半田に注目が集まる。夏以降に定位置を確保して大車輪の活躍を見せたMF柳のレンタル終了は痛いが「MF半田が控えているので大丈夫」という見方もできる。MF三鬼もいるので右WBは充実している。U-17日本代表ではCBで起用されたがサイズ的な問題を抱えているのでプロの世界では右SB/WBで勝負することになるだろう。抜群の身体能力とメンタルの強さを持っている。
東京Vは相変わらず若手の宝庫である。キャンプ中の練習試合で黒星が続いているので仕上がり具合は気になるが期待の持てる若手がたくさんいる。中でも注目が集まるのはMF山本理だろう。精度の高い左足を持っており、パリ世代を代表するボランチである。高校3年生だった2019年もJ2で22試合に出場したが本格ブレイクに期待がかかる。18歳の選手とは思えないほどの落ち着きがあって存在感もある。
テクニシャンのMF森田晃もブレイク候補に挙げられる。2019年は高卒1年目ながら24試合で3ゴール2アシストという成績を残したが「いかにも東京Vユース出身の選手」というプレースタイルである。テクニックがあって相手の逆を突くのが上手な選手である。永井秀樹監督になったことの恩恵を大きく受ける選手の1人だろう。「分かりやすい結果を残せるか?否か?」でプレーヤーとしての価値は大きく変わってくる。
高卒1年目のMF藤田譲瑠チマの評価は上々である。昨秋に行われたU-17W杯の本大会ではボランチの中心として活躍したがキャンプ期間中に高い評価を得ており、開幕スタメンもあり得る状況である。172センチなのでサイズに恵まれた選手ではないが運動量が豊富で攻守両面でアグレッシブにプレーすることが出来る。レフティのMF藤本寛は怪我で長期離脱しているが変わらず若手の有望株は目白押しである。
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