■ お披露目の試合は完敗・・・。10月中旬に行われたアウェイのブラジル戦で3対2の逆転勝利を飾ったU-22日本代表だったが国内でのお披露目の試合となったU-22コロンビア戦は0対2の完敗を喫した。後半36分に抜け出したFW小川航のシュートがポストに直撃するという不運もあったがチャンスの数は少なくて「スコア通りの完敗だった。」と言える。来年早々にU-23アジア選手権が控えているが選手や監督やスタッフの危機感は高まっただろう。
今回はW杯の二次予選と日程が重なったがMF堂安(PSV)やMF久保建(マジョルカ)やDF板倉(フローニンゲン)などフル代表に召集されている選手を五輪代表の方に召集した。本番を見据えて現時点でのフルメンバーを招集することになったので期待値は高まっていたがブラジル戦と比べると8人もスタメンが入れ替わっている。引き続いてスタメンで起用されたのはGK大迫とDF立田とMF中山雄の3人だけだった。
MF菅原やMF堂安やMF久保建あたりはあまり or ほとんど or 全く五輪代表ではプレーしていない選手になる。テスト色の強いメンバー構成だったが思うような攻撃は出来なかった。フル代表のキプロス戦に帯同した森保監督はコロンビア戦でベンチに入ったが実質的にはこれまでと同様で横内氏が中心となってチームを作って来た。「森保監督がいる中で中心になって采配を振るう。」というのは難しさもあっただろう。
コロンビアは力のあるチームだったので「いいレッスンになった。」と言えるがこういう相手にしっかりと勝たないと五輪でのメダルは見えてこない。「いい時期にいい相手と試合が出来たこと」はポジティブに考えられるがU-23アジア選手権まであと1か月半ほど。あまり時間はない。開催国なので東京五輪の出場権はすでに確保しているが2016年と同様でアジア王者に輝くことが期待される。結果を残さないといけない。
■ 注目が集まったのはシャドーの2人注目はやはり攻撃陣になる。1トップは前半はFW上田(鹿島)、後半はFW小川航(水戸)が起用されたがどちらもプレーに関与する回数は少なかった。FW小川航についてはポスト直撃のシュートを放っているので1つ大きな見せ場を作ったがFW上田に関しては全く見せ場はなかった。いい形でボールを受けるシーンも前線で起点になるシーンもほぼなかった。前半のみでベンチに下がったのも仕方がないと言える。
FW上田に対する批判の声は大きいがMF堂安とMF久保建が入ったことで「2列目中心のサッカー」になったことが彼にとってはマイナスだった。これまでの五輪代表はフォワードの選手をシンプルに活用する攻撃が多かった。そこまで手数はかけずにアーリークロスを多用したり、裏へのパスを多用する攻撃だったが、良くも悪くも影響力の大きい選手が2人も入ったことで大きく変わった。手数のかかるサッカーになった。
注目が集まったMF堂安とMF久保建のコンビについては「及第点の出来だった。」と言える。どちらもいくつかは見せ場を作った。この2人以外の攻撃的なポジションの選手で見せ場が作った選手はポスト直撃のシュートを放ったFW小川航と途中出場で積極的な動きを見せたMF食野亮くらい。その他の選手と比べると「相対的に出来は良かった。」と言えるがそれでも及第点くらいである。落第点を付ける人もいるだろう。
0対2という結果を受けて「MF堂安とMF久保建のコンビを招集したのに勝てなかった。」、「ゴールを奪えなかった。」、「いい形の攻撃が少なかった。」と批判をされているが「MF堂安とMF久保建が入ったことでバランスが崩れてしまった。」というのが敗因の1つになるだろう。もちろん、相手のコロンビアは力のある選手が揃っていて、かつ、組織力も高かったので難しい試合になってしまうのは仕方がないが・・・。
■ 併用なのか?どちらも外すのか?「MF堂安とMF久保建をどう共存させるのか?」は五輪の本番まで散々語られると思うが「3-4-2-1」を継続して2人をシャドーの位置に並べるというのはバランス的にはあまり良くない。どちらも左利き。感性はよく似ているのでコンビネーションは期待できるがプレーエリアは重なりがちである。どちらも足元でボールを受けることが多くてスペースに飛び出してボールを受けようとするシーンは非常に少なかった。
どちらも人気のある選手で、かつ、スター候補なので、かつてのMF中田英とMF名波であったり、MF中田英とMF中村俊とMF小野伸であったり、MF中村俊とMF本田圭であったり、MF本田圭とMF香川のときと同じでファン同士がヒートアップして対立構造が生まれつつあるが、コロンビア戦を見る限りでは「スタメンで使うのはどちら1人の方がベター」と言える。良くなる可能性はあるがバランスは非常に悪かった。
ユーゴスラビア代表の監督だったオシム監督が1990年のイタリアW杯のときに「機能しないことを承知の上でメディア受けするスター選手を最初にスタメンに並べて、雑音がおさまった後、自分が理想とするメンバーを起用して躍進した。」ということがあったが、お披露目の試合でMF堂安とMF久保建を並べたというのはそういう意図もあったかもしれない。(当然、森保監督が正直に告白することはあり得ないが・・・。)
難しいのはMF堂安とMF久保建だけでなくMF三好も控えているという点である。今回もMF三好が10番を背負っているが「これまで五輪代表の中心選手としてチームを引っ張ってきたのは紛れもなくMF三好である。」と言える。MF三好も同じように左利きのアタッカーになるが「4-2-3-1」を採用する場合はMF堂安とMF久保建とMF三好を併用することも可能になる。「3-4-2-1」で3人を併用するのはほぼ無理である。
・2019/11/20 【五輪代表】 堂安律なのか?久保建英なのか?併用なのか?どちらも外すのか? (上)
・2019/11/20 【五輪代表】 堂安律なのか?久保建英なのか?併用なのか?どちらも外すのか? (下)
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