■ J1の第5節J1の第5節。開幕4試合で0勝3敗1分け。まだ未勝利のベガルタ仙台はホームのユアテックスタジアムでセレッソ大阪と対戦した。オフにMF奥埜やDF板倉やMF野津田など主力数名が抜けた仙台は開幕戦こそ浦和と引き分けたが2節から3連敗と苦しんでいる。一方のC大阪も開幕戦はホームで神戸に勝利したが2節から3連敗。どちらもリーグ戦は3連敗中。浮上のきっかけを掴みたい両チームの対戦になった。
ホームの仙台は「3-4-2-1」。GKシュミット・ダニエル。DF平岡、大岩、金正也。MF富田晋、兵藤、道渕、石原崇、ハモン・ロペス、MF吉尾。FW長沢駿。横浜FMから期限付き移籍のMF吉尾がシャドーの位置でスタメン起用された。左ストッパーはこれまではDF永戸が起用されることが多かったがDF金正也がスタメン出場。右WBはMF蜂須賀がベンチスタート。甲府から移籍したMF道渕がスタメンで起用された。
対するアウェイのC大阪は「3-4-2-1」。GKキム・ジンヒョン。DF片山瑛、マテイ・ヨニッチ、木本。MF奥埜、ソウザ、松田陸、丸橋、柿谷、清武。FW都倉。オフに仙台からC大阪に移籍したMF奥埜は古巣との対戦になる。新加入のFW都倉はまだゴールなし。MF柿谷とMF清武も今シーズンはゴールなし。C大阪は4試合で2ゴールを奪っているが得点者はDF山下とMFソウザの2人だけ。攻撃陣は仕事が出来ていない。
■ 2対0で勝利したセレッソ大阪試合の序盤はC大阪が押し込んだがC大阪のつなぎのミスから仙台がチャンスを作った。前半15分にはMFハモン・ロペスが得意の左足でシュートを放ったが決めることは出来ず。すると前半35分にMF柿谷の浮き球のパスからMF松田陸が右サイドの裏を取って折り返し。ニアサイドに入って来た新加入のFW都倉が右足で合わせてアウェイのC大阪が先制に成功する。FW都倉は今シーズン初ゴールとなった。
C大阪は5試合目にしてようやく流れの中でゴールが生まれた。前半は1対0とC大阪がリードして折り返した。後半になると雪が降ってきてピッチ上も白くなっていく。過酷なコンディションの中での試合になったが後半27分にMF奥埜が高い位置でボールを奪ってカウンター。MF清武のパスを受けた途中出場のMF田中亜がキーパーとの1対1を落ち着いて決めて大きな追加点を奪った。MF田中亜も移籍後初ゴールとなった。
雪が降り続く中、後半28分になるとカラーボールが使用されるようになった。真冬に逆戻りしたかのような気象コンディションになったがその後もいくつかチャンスを作ったアウェイのC大阪が2対0で勝利。4試合ぶりの勝利を手にした。C大阪は2勝3敗。寒い中でのプレーに慣れているFW都倉とMF田中亜が貴重なゴールをゲットした。対照的に仙台は2節から4連敗。開幕から5試合勝ちなしと苦しんでいる。
■ ついに生まれたFW都倉のゴールC大阪はロティーナ監督が就任してスタイルが大きく変わった。繋ぐ意識が高まったがまだ道半ば。十分な結果は得られていないが開幕当初と比べるとスムーズなパス回しができるようになってきた。守る時間が長くてセットプレーからゴールを奪って1対0で勝利した開幕の神戸戦(H)と比べるとはるかにこの試合は「自分たちがやりたいサッカー」をピッチ上で表現することができた。完勝だったと言える。
開幕4試合で2ゴールのみ。なかなか点が取れていなかったがこの日は流れの中から2ゴールを奪った。2ゴールともいいゴールになったが貴重な先制ゴールを奪ったのはFW都倉だった。彼もここまでノーゴール。1節と3節は途中出場。まだチーム内での地位は確立されていないが、やはり、最前線にFW都倉がいると相手の脅威となる。FW都倉、MF清武、MF柿谷のトライアングルが現状ではベターと言える。
前任のFW杉本健とどうしても比較されてしまうがFW都倉の方が体を張ったプレーが出来る。器用さではFW杉本健に劣るがFW都倉の方が動きがシンプルで分かりやすい。厳しい時間帯でしっかりと前線でボールをキープして時間を作るシーンは多かった。チャンスメイクの出来る選手はC大阪にはたくさんいるので「FW都倉が仕留めることが出来るか?否か?」でC大阪の順位は大きく変わってくるだろう。
後半27分に大きな追加点のゴールを奪ったのは加入2年目のMF田中亜だった。昨シーズンはJ1で6試合の出場のみ。力を出し切れなかったが5節にしてゴールを決めることが出来た。1トップ+2シャドーの候補は先の3人以外にもたくさんいるので「ベンチ入りを果たすだけでも大変」と言えるが分かりやすい結果を残せると自然と序列は上がっていくだろう。フリーで抜け出したが落ち着いてゴールに流し込んだ。
■ 開幕から5試合勝ちなし仙台は2節から4連敗となった。渡辺晋監督の解任を求める声も徐々に増えてきたが5試合で3ゴールのみ。なかなか点が取れない。この日もチャンスがなかったわけではないがMFハモン・ロペスはチャンスシーンで決められず。FW長沢駿はプレーに関わる回数が少なすぎた。サイドアタックは仙台の大きな武器になるがMF道渕もMF石原崇も良さを出し切れず。厚みのある攻撃を繰り出すことは出来なかった。
救世主の出現が待たれるがその候補に挙げられるのは横浜FMからの期限付き移籍となるMF吉尾だろう。プレシーズンの段階から好調と伝えられていたが隙間でボールを受けて局面を打開することが出来る選手が今シーズンの仙台は少ない。MF吉尾にとってはチャンスと言える。精度の高い左足を持った選手なので分かりやすい結果を残して出場機会を確保したい。アタッカーとしてのポテンシャルは高い。
オフに仙台からC大阪に移籍したMF奥埜に注目が集まったが彼がボールを持った時に大きなブーイングが起こることはなかった。「敵意丸出し」という感じでは全くなかったが仙台はMF奥埜を止めきれず。MF奥埜がいいところでボールを受けてシンプルに味方を使って攻撃の起点になるシーンは多かった。2点目のゴールの場面はMF奥埜が高い位置でMF富田晋からボールを奪ったことが全てのきっかけになった。
→ 2019/03/08 【J1】 「面白いサッカー」をしているチームはどこだ? (前編)
→ 2019/03/09 【J1】 「面白いサッカー」をしているチームはどこだ? (後編)
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