■ 夏の移籍市場はクローズJ1は24節が終了した。残りは10節となったが今年のJリーグの第2登録期間(ウインドー)は7月15日(金)~8月12日(金)だったので夏の移籍市場はクローズとなった。ひと段落ついたが今夏の移籍市場で積極的な動きを見せたのはG大阪・清水・神戸・名古屋・湘南など残留争いに巻き込まれているチームだった。その一方で上位争いに参加している柏・C大阪・鹿島・広島などは選手の入れ替えはほとんどなかった。
上位チームの多くは期待通りか、期待以上の結果を残しているのでわざわざ相場以上のお金をかけて夏の移籍市場で新戦力を獲得する必要はない。GKキム・スンギュ(→アル・シャバブ)が流出した柏は2位と好位置に付けているがGK守田(鳥栖)を獲得したのみ。U-21日本代表のGK佐々木が後釜として頑張っていることもあってOBであるGK中村航(ポルティモンセ)などキーパーのビッグネームの補強はなかった。
C大阪も3位と好位置に付けているがMFチャウワット(BGパトゥム)を再獲得したのみ。MF乾(→清水)が電撃退団してMF新井晴(→HNKシベニク)も海外に挑戦するが補強は最小限にとどまった。補強費には限りがあるので柏やC大阪など「前評判以上の好成績を残しているチーム」が夏の移籍市場で静観するのは正しい。夏の移籍市場で使わなかったお金(使う必要がなかったお金)はオフの移籍市場で使うことが出来る。
6位の広島も新戦力の補強は無かった。こちらもスキッべ監督の下、好成績を残しており、ルヴァン杯はベスト4進出、天皇杯もベスト8に進出した。MF長沼(→鳥栖)、FW永井龍(→岡山)、MF仙波(→岡山)がチームを離れているので過密日程になる秋以降のマネージメントは難しくなるが負担を分散させながら勝ち進みたい。3位のC大阪との差は「3」のみ。タイトルとACLの出場権獲得が今シーズンの大きな目標となる。
■ 夏の移籍市場はクローズJ1は24節が終了した。残りは10節となったが今年のJリーグの第2登録期間(ウインドー)は7月15日(金)~8月12日(金)だったので夏の移籍市場はクローズとなった。ひと段落ついたが今夏の移籍市場で積極的な動きを見せたのはG大阪・清水・神戸・名古屋・湘南など残留争いに巻き込まれているチームだった。その一方で上位争いに参加している柏・C大阪・鹿島・広島などは選手の入れ替えはほとんどなかった。
今夏のJリーグは100件ほどの移籍が成立したがJ1の18クラブの中で最も効果的な補強が出来たのはG大阪だろう。FW鈴木武蔵(ベールスホットVA)、MF食野亮(GDエストリル・プライア)、MF山本理(東京V)、MFファン・アラーノ(鹿島)の獲得に成功した。24節を終えた時点で入替戦圏内となる16位。2012年以来のJ2降格の危機を迎える中、夏の移籍市場に限定すると「過去最高クラスの大型補強を敢行した。」と言える。
片野坂監督をサポートすることを期待して元・長崎の松田浩氏の招聘も決まった。なりふり構っていられない状況でフロントは精力的な動きを見せたが23試合で23得点のみ。得点力不足に苦しむ中、「個の力」を持ったFW鈴木武蔵ならびにMF食野亮を獲得できたのは良かった。G大阪に戻ってきたMF食野亮はさっそく23節の京都戦(A)でゴールを決めている。FW鈴木武蔵がフィットするのか?が当面の注目点になる。
気になるのは課題であるビルドアップの部分を改善できる選手として即戦力の期待がかかったMF山本理が東京V時代の怪我の影響でしばらくプレーできない点。ボランチから後ろの補強は彼のみなのでMF山本理がプレーできない時期はビルドアップの部分での改善は期待しにくい。後ろからパスをつないで攻撃的なポジションの選手にいいボールを供給できないとFW鈴木武蔵やMF食野亮の能力も生きない。
■ ルヴァン杯の準々決勝の2ndレグルヴァン杯の準々決勝の2ndレグ。川崎フロンターレとセレッソ大阪の試合は等々力陸上競技場で行われた。1週間前にヨドコウ桜スタジアムで行われた1stレグは1対1のドロー。前半33分にMF脇坂のゴールで川崎Fが先制に成功したが後半44分にFWアダム・タガートが同点ゴールを決めてC大阪が1対1の同点に追いついた。両チームの対戦は今シーズン4回目。ここまで2勝1分け。リーグ戦はC大阪がダブルを達成した。
ホームの川崎Fは「4-1-2-3」。GKチョン・ソンリョン。DF山根視、ジェジエウ、谷口彰、登里。MFジョアン・シミッチ、橘田、チャナティップ。FW家長、レアンドロ・ダミアン、マルシーニョ。コロナでたくさんの選手が離脱していたがようやく主力が戦列に復帰。怪我のMF大島僚を除くとベストに近いメンバー構成になった。DFジェジエウは週末に行われた24節の横浜FM戦の終了間際に劇的なゴールを奪った。
対するアウェイのC大阪は「4-2-2-2」。GKキム・ジンヒョン。DF松田陸、西尾、鳥海、山中。MF奥埜、鈴木徳、毎熊、為田。FWアダム・タガート、上門。こちらは週末に行われた神戸戦(H)は3対0で大勝しているがその試合はターンオーバーを採用。DF山中、MF毎熊、MF奥埜などがスタメンから外れた。中2日の川崎Fに対してC大阪は中3日。週末の選手起用も加味するとコンディション面はC大阪が有利と言える。
■ いよいよ残り10節J1はいよいよ残り10節となった。終盤戦に差し掛かっているが残留争いは大混戦になっている。23節を終えた時点では勝ち点「30」に到達していない鳥栖以下の10チームが残留争いに巻き込まれていたがホームで磐田に勝利した鳥栖は勝ち点「32」となった。16位のG大阪との差が「10」となったので「鳥栖は安全圏に突入した。」と言える。下位の磐田に負けていると鳥栖も大変なことになったがこれで一安心できる。
これだけたくさんのクラブが残留争いに巻き込まれているので、ほぼ毎節、直接対決が組まれるが湘南 vs 札幌はアウェイの札幌が大勝した。G大阪 vs 福岡はコロナの影響で延期になった。京都と神戸はともに上位チームに敗れたが名古屋はホームで浦和に大勝した。名古屋もこれで勝ち点「29」となった。好調の浦和を相手に大きな勝ち点「3」を獲得した名古屋も残留争いから抜け出せそうな状況になってきた。
10位の名古屋は16位のG大阪との差が「7」まで広がった。少しだけ安心できるポジションまで浮上することができた。11位の札幌から16位のG大阪まで「6差」なので依然として下位グループは大混戦になっているが今後の日程を見ると最もきついのは14位の湘南になる。23節は磐田、24節は札幌との直接対決だったので最悪でも2引き分けで乗り切りたかったがまさかの2連敗。これで4試合勝ちなしとなった。
■ Balcom BMW CUP 広島ユースサッカー「HiFA 平和祈念 2022 Balcom BMW CUP 広島ユースサッカー」が開幕した。HiFAは「Hiroshima football association」の略になる。原爆が投下された8月6日前後に広島県内で開催されるユース年代の大会となる。U-17日本代表、広島ユース、広島県高校選抜U18、クラブ・レオン(メキシコ)の4チームが参加して総当たり方式のリーグ戦を行うが広域公園第一球技場でU-17日本代表と広島ユースが対戦した。
U-17日本代表は「4-2-2-2」。GK小林将天(FC東京U-18)。DF稲垣篤志(浦和ユース)、市原吏音(大宮U18)、畑野優真(横浜FMユース)、飯田陸斗(京都U-18)。MF大関友翔(川崎U-18)、由井航太(川崎U-18)、早川隼平(浦和ユース)、鈴木陽人(名古屋U-18)。FW貴田遼河(名古屋U-18)、後藤啓介(磐田U-18)。2005年生まれの選手が主体となるので2028年のロス五輪は彼らの世代が五輪代表の中心となる。
ベンチスタートになったのはGK濱崎知康(川崎U-18)、DF池田春汰(横浜FMユース)、DF伊藤稜介(磐田U-18)、DF堺屋佳介(鳥栖U-18)、DF喜多壱也(京都U-18)、MF安藤阿雄依(清水ユース)、MF林奏太朗(鳥栖U-18)、MF清水大翔(C大阪U-18)、FW行友翔哉(愛媛U-18出身)、FW郡司璃来(市立船橋高)の10名。当初はMF岡崎大智(FC東京U-18)が招集されていたがコンディション不良で参加を辞退した。
■ 初昇格を目指すロアッソ熊本J2は30節が終了した。残りは早くも12節となったが昇格1年目のロアッソ熊本は30節を終えた時点で12勝7敗11分けで勝ち点「47」。好成績を残している。ここ7試合の成績も5勝1敗1分け。7位の町田との差が「4」となってプレーオフ出場が現実味を帯びてきたが首位の横浜FCとの差は「10」、2位の新潟との差は「9」、3位の仙台との差は「8」。3強の勝ち点が伸び悩んでおり、自動昇格(2位以内)も不可能ではない。
32節が新潟戦(A)、41節が仙台戦(A)、42節が横浜FC戦(H)となる。3強(横浜FC・新潟・仙台)との対戦も残っているので自力で差を縮めるチャンスはある。5位の長崎、7位の町田、10位の千葉との試合もあるので「直接対決をどう乗り切るのか?」が注目点に挙げられるが夏の移籍市場ではボランチのMF平川怜(FC東京)を獲得した。各年代の日本代表を経験した天才肌の選手を(レンタルではなくて)完全移籍で獲得した。
熊本は「3-3-1-3」という特殊なシステムを採用している。今のJリーグで他にこのシステムを採用しているチームは存在しないがアンカーにかかる負担は大きい。広大なスペースを埋めつつ、攻撃の基点になることが期待される。キャプテンのMF河原創が見事にこなしているが彼は30試合全てでフル出場している。彼の代わりとなる選手は存在しないのでまずは「アンカーのバックアッパー」という役割が期待される。
他にはトップ下での起用も考えられる。この位置はMF竹本やMF伊東俊が起用されている。MF竹本は運動量や積極的なシュートが武器となる。MF伊東俊はテクニックがあってドリブルでチャンスを作ることが出来る。タイプは異なるがパサー系のMF平川怜がトップ下で起用される場合はまた違ったサッカーになるだろう。さらには「トリプルボランチの一角」とも表現できる左右のサイドハーフでの起用も考えられる。
■ J1の第24節J1の第24節。6勝9敗8分けで勝ち点「26」の京都サンガはホームのサンガスタジアム by Kyoceraで柏レイソルと対戦した。好調の柏は12勝8敗3分けで勝ち点「39」。開幕前の評価は低くて「降格候補」に挙げられたが『J1残留のために必要とされる勝ち点「38」』をクリアした。首位の横浜FMとの差は「9」、2位の鹿島との差は「8」となる。残留争いの真っただ中の京都は16位の磐田との差が「4」となる。
ホームの京都は「3-4-2-1」。GK上福元。DF井上黎、麻田、本多。MF川崎颯、武田将、福岡慎、荻原、松田天、武富。FW豊川。先週は12名、今週も8名の感染者が判明した京都は大変なことになっているが23節のG大阪戦(A)はベンチ外だったFWピーター・ウタカなどが戦列に復帰した。ここ最近になってスーパーサブ的な起用法ながら大活躍中のFW大前はこの日もベンチスタート。FW豊川がスタメン出場となった。
対するアウェイの柏は「3-1-4-2」。GK佐々木。DF高橋祐、DF上島、田中隼。MF土屋巧、川口尚、三丸、ドッジ、椎橋。FW細谷、小屋松。E-1 サッカー選手権で日本代表に初招集されたパリ世代のFW細谷はここまで22試合で7ゴールを挙げている。23試合で6ゴール4アシストを挙げているMFマテウス・サヴィオはベンチ外。高卒1年目のMF土屋巧はJリーグデビューとなる。日本体育大学柏高出身となる。
■ 4位と好位置に付けるファジアーノ岡山J2は30節が終了した。残りは12試合となったが初昇格を目指すファジアーノ岡山は好調。ここ14試合の成績は7勝1敗6分けとなる。24節の熊本戦(H)を落としたのみ。安定して勝ち点を積み上げている。岡山は例の誤審で8節の山形戦(A)が再試合になったので他クラブと比較すると消化試合数は1つ少ないが首位の横浜FCとの差は「9」、2位の新潟との差は「8」、3位の仙台との差は「7」。3強の背中が見えてきた。
新潟との対戦はすでに終了しているが横浜FCとは32節、仙台とは38節で対戦する。横浜FC戦はアウェイ戦、仙台戦はホーム戦になるが大一番になる可能性は高い。特に38節の仙台戦をどういう形で迎えることが出来るのか?が注目点に挙げられる。「少なくとも直接対決で仙台に勝利したら仙台を上回ることが出来る。」という勝ち点差で上位対決を迎えたいが初昇格を目指して夏の移籍市場も積極的に動いている。
清水からの期限付き移籍だったGK梅田(→清水)、FW川本梨(→群馬)の2人はレンタル終了となったがFW永井龍(広島)とMF仙波(広島)をいずれも期限付き移籍で獲得した。どちらも広島からの期限付き移籍になるがさらに秋田の主力であるMF輪笠の獲得にも成功した。こちらは完全移籍となる。秋田ではボランチもしくは左SBで起用されたがここまでほとんどの試合でフル出場を果たしている。主力中の主力である。
71人目 : FW エレケ (ゲンチレルビルリイSK→鹿島アントラーズ) ・・・ B+
→ FW上田が移籍をした鹿島が今夏にストライカーを獲得するのは確実だったが190センチ/88キロとサイズに恵まれたナイジェリア人ストライカーを獲得した。鹿島は「外国人選手はブラジル人のみ」という時期が長かったが2009年にMFパク・チュホを獲得。彼が「ブラジル人以外で初めての外国人選手」だった。今回はナイジェリア人なので驚きと言える。動画を見る限りではパワフルで身体能力は高い。「FW上田の代わり」というのはハードルが高いがポテンシャルはかなりのレベルである。大化けしたら面白い選手。
72人目 : MF 平塚悠知 (水戸ホーリーホック→アビスパ福岡) ・・・ B-
→ 札幌大出身で大卒4年目。ずっと水戸でプレーしてきたがこのタイミングでの個人昇格は驚きと言える。水戸はストライカーのFW木下など夏の移籍市場でJ1のクラブに引き抜かれてもおかしくない選手をたくさん抱えているがMF平塚というのは予想できなかった。福岡の長谷部監督は2018年と2019年に水戸を指揮しているのでプロ1年目の時の監督が長谷部監督になる。この年は7試合のみなので出場機会は少なかったが評価はされていた模様。左利きでゲームを作ることが出来る。福岡にはいないタイプと言える。